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FIB

技術コンセプト

FIB(Focused Ion Beam:集束イオンビーム)はイオン源としてガリウム(Ga)を使用し、金属や酸化物のスパッタリング、成膜、エッチングによるリソグラフィーを行うことができます。

FIBに用いられる金属イオン源(Ga)の蒸気圧は6.98×10-38Torrと低く、超高真空を含むさまざまな真空環境で用いられています。FIBではこのイオン源に強力な電場を加えて溶融させ、その形状をテイラーコーン形状に変化させます。その頂点はGaイオンビームを放出するのに十分な鋭さとなります。エネルギー分散が4.5eV、輝度が106A/cm2srのビームは、10nm以下の領域に集光することができます。

 

FIBシステムは、液体イオン源、集光レンズ、走査レンズ、移動ステージ、ガス導入システム(GIS)、信号検出器から構成されています。金属や酸化物のイオンスパッタリング、成膜、エッチングによるリソグラフィーが可能であり、MEMSにも最適なツールです。

 

SEMと組み合わせたFIB装置は、デュアルビームFIBと呼ばれています。この装置は、SEMモードによる非破壊での観察と、FIBモードによるナノリソグラフィーの両方に使用することができます。これは、選択された局所領域の精密なナノリソグラフィーに威力を発揮し、例えば、TEM試料作製に広く利用されています。

 

 

 

アプリケーション

  1. IC回路修正

  2. 選択領域の断面観察

  3. イオンチャネリングコントラスト

  4. TEM試料作製

集束イオンビームシステム

(a)液体イオン源

(b)回路修正用のGIS(Br2,XeF2,TEOS)を備えたシングルビームシステム

(c)デュアルビームFIBシステム

 

 

 

 

応用例

Case1.回路編集

IC開発の初期設計では、多くのミスがあり、機能エラーの原因となります。そのため、機能の精度をテストするためにはICの試作が必要となります。また、ICの回路設計の誤りは、誤動作を引き起こす最も重要な原因の一つです。そのため、ICの開発には、試作したICの回路を修正する方法が必要となります。FIB技術は、金属や酸化物の切断、エッチング、成膜に優れているため、安価で効率的な回路修正や編集が可能です。

 

回路の編集は、パッケージや修正箇所の違いにより、表側と裏側で行うことができます。

  • 表側の編集は、図-2に示すように、ICチップの上面から下層に順に処理していきます。

  • 裏面編集は、図-3に示すように、ICチップ(Si基板)の裏面からスタートし、徐々に上の領域に向かって編集していきます。

 

一般的に、編集の難易度は回路構造に依存します。処理できるエリアが大きくなるほど難易度は下がります。また、上層の方が処理が簡単です。さらに、表側の方が裏側よりも編集難易度が下がります。銅線とAl線では銅線の方が編集が容易です。編集工程は、通常、パッシベーションまたは酸化物除去、金属ワイヤー切断、金属蒸着、接続ワイヤー蒸着、金属パッド蒸着、酸化物蒸着、コンデンサ作製、抵抗器作製を含みます。

 

絶縁体蒸着は、TEOSやTMCTSなどのイオンビーム誘起ガスが分解してSiOを形成することにより行われます。金属蒸着では、WとPtの2種類の材料が選択できます。前者は抵抗が低く、充填能力に優れていますが、後者に比べて成膜速度が劣ります。カーボン膜の成膜にはC108のガスを用います。

 

アルミニウムはI2、Br2、Cl2でエッチングされ、銅はイオンスパッタリングと水蒸気の組み合わせで除去できます。絶縁体層はXeF2でエッチングされます。

 

表側からの加工例

(a)開封

(b)穴開けと金属充填

(c)ワイヤーの切断と接続

(d)Ptワイヤーの堆積

(e)M2の切断

 


裏面編集の加工例

(a)プロービングパッド

(b)裏面編集サンプルの断面TEM像

 

高度なIC回路の回路編集は、ワイヤピッチの減少が続いていることで、ますます困難になってきています。この困難を克服するには、以下の3つの方向性があります。

 

  1. イオンビームの安定性などシステムの性能向上

  2. エッチングや成膜のためのより強力な反応性ガスの開発

  3. 電荷蓄積の低減

 

 

Case 2.断面観察

FIBは、高い位置精度で加工(穴形成)することができるため、サンプル内部の欠陥を解析するための強力な手段となります。このような分析には、通常、デュアルビームFIBシステムを利用します。SEMモードで位置やモルフォロジーを確認した欠陥を、FIBモードを用いて切り取ることができます。以下の画像に通常のIC断面画像を取得する方法を示します。

 

断面観察のための代表的なプロセスを示す模式図

IC断面のSEMモード画像

 

 

 

Cases 3.イオンチャネリングコントラスト

多くの結晶には、特定の結晶方向に沿ってチャネル状のギャップが存在します。FIB装置は、このようなギャップを観察するのに十分な能力があります。イオンビームがギャップに沿う場合と沿わない場合で、二次電子やイオンの放出によるコントラストの明確な違いが生じるからです。この現象はイオンチャネリングコントラストと呼ばれ、そのメカニズムは下図のように模式的に説明できます。

 

 

 

イオンビームがチャネルに沿う場合と沿わない場合の違いを示す模式図

 

 

イオンチャネリングコントラストの画像は、異なる結晶の積層構造を明確に示すことができ、結晶粒径や方向の解析が可能です。例えば、下の図は、光学顕微鏡(左)とFIB(右)によるはんだボールの断面画像を示しています。FIB画像では、プリント基板とICの接続工程での温度差に起因するPb-Snの結晶粒構造をより詳しく知ることができます。

 

はんだボールの断面写真 (a)OMと (b) FIB

 

 

 

Case 4.TEM試料作製(予備研磨、リフトアウト、オムニプローブ)

FIBを用いたTEM試料作製法には、予備研磨法、リフトアウト法、オムニプローブ法の3つの方法があります。

 

予備研磨(Pre-Thin)法

予備研磨法は、機械研磨で5~10μmまでサンプルを薄くした後、FIBリソグラフィーで0.1μmまで薄く加工します。

 

この方法は、変形のない大型(~50μm)の均一なTEMサンプルを作製するために採用されます。しかし、他の方法に比べて複雑で時間がかかります。

 

 

リフトアウト(Lift-out)法

リフトアウト法は、FIBを用いてサンプルを局所的に薄く加工します。薄くなった試料片は、FIBを用いた「Uカット」によって試料から切り離されます。最後に、薄くなった試料を静電吸着力のあるガラスプローブでカーボン膜付Cuグリッド上に移動します。

 

この方法は、通常1時間未満の作業時間で最も効率的な試料作製方法であるため、広く利用されています。しかし、Cuグリッドに移行した後のリワークや加工がしにくいという欠点があります。そのため、処理された試料の品質は技術者の前処理能力に大きく左右されます。

 

 

オムニプローブ(Omni-probe)法

オムニプローブ法では、FIBを用いてまず試料を局所的に1~2μmまで薄く加工します。薄くなった部分にPtをFIB蒸着してプローブを接続します。このプローブを用いて、薄くなった試料を適切な位置と角度に移動し、さらにFIB加工によって試料の形態を精密に修正します。この修正工程は、TEM観察に適したモルフォロジーになるまで数回行うことができます。

 

この工程は、1.5〜2時間という長い作業時間を必要としますが、再加工が可能であることから、誤差を許容できない試料作製には最適です。

 

試料作製の工程:

(a)-(b) プローブへのサンプルの取り付け

(c) サンプルの取り出し

(d) ホルダーへのサンプルの移動

(e) サンプルとプローブの切り離し

(f) TEM観察

 

 

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